作絵 いもとようこ 発行 金の星社

Reen
辛くて耐えられないときに、愛する家族を亡くした方にも読んでほしい

来年の三月で、東日本大震災が起きてから十四年の歳月が流れます。
現在、絵本に夢中のお子さんたちにとっては、まだ生まれてもいなかった
過去の大地震でしょう。
この「かぜのでんわ」は、岩手県の海を見下ろす丘に実際に設置された、
私設の電話ボックスをモデルに描かれた絵本。
震災後に大勢の人がかの地を訪れ、電話線がつながっていないダイヤル式の黒電話で
亡き人へ思いを伝えてきた実話がベースになっています。
誰しも、今日という日が明日も明後日も変わらずに続くと思っていますが、
プツンとはさみで切りとられたように、
大事な人と二度と会えなくなることがあるのが人生です。
「かぜのでんわ」のなかのきつねのおとうさん。
でんわのまえでいつまでも泣いています。
生きているうちに言っておけばよかった。
そんなことはわかっているのに。
なかなか素直になれず、いじっぱりに生まれついた自分だからこそ、後悔ばかり。
そんな私でも、たまった思いを伝えようとする力が人を癒すのだと信じられるのが、
この絵本です。
悲しみのまっただなかにいると、自分の気持ちしか見えません。
でも、
思いを吐き出し続けると、これまでとは違う景色が見えてくるもの。
亡き人への強い思い、それこそがいつか生きる希望に繋がると信じて。



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