林 木林 作 庄野 ナホコ 絵 小さい書房

世界各地で戦火が広がる今だからこそ読んでほしい一冊。私たちひとりひとりにできることを問う、重い十字架のような絵本。

Kumaさんからおススメされて読んでみたこの絵本。
ひたすら善良で自分からは前に出ないライオンと、強欲で悪知恵を働かせて行動するライオンとの対比のすえの世界が、美しいイラストとともに見事に描かれていました。
奥付を見ると2014年に発行とのこと。
トランプ大統領の第一期は2017年から、フェイクニュースという言葉が広がったのが2016年の米大領選挙と言われています。
悲しいかな、私たちが住む世界はどんどん良くない状況に向かって進んでいます。
薄々、分かってはいるものの、日々の生活に追われて、なるべく考えないようにしていた自分自身を、この絵本がガツンと殴ってくれたような気がしました。
つい先日までイタリアで行われていた冬季オリンピック。
熱い戦いに胸打たれ、テレビに釘付けになっていたのは、私一人ではないはず。
今回日本は、冬季五輪歴代最多数のメダルを獲得したそうで、各選手の努力や競技団体のサポートなど、たくさんの要因があって本当に素晴らしいなと思いました。
でも心の片隅で、日本が戦火とは無縁の平和な環境だからこその結果ではないのかと思う気持ちがぬぐえませんでした。
もともとフィギュア大国のロシア。
国として参加できず、個人資格で出場した選手と、国を挙げて手厚いサポートを受けて出場した日本のような国の選手とが本当に同じ土俵で闘ったのかしら。
侵攻を受けているウクライナの選手にいたっては、どうやって練習してきたのか、想像するだけで心が痛みます。
日本が将来、ウクライナやロシアのような状況に絶対ならないなんて、誰にも分かりません。
この絵本が教えてくれたのは、無関心はダメ、あきらめては絶対にダメというシンプルなこと。
私たちひとりひとりができることを一生懸命に探し、真実を見極める力を身につけ、やれることがあれば恐れずに行動に移すべきなのでしょう。
なによりもこの絵本の結末のような世界を迎えないようにするためにも。
未来を生きる子どもたちのためにも。
ぜひ、多くの方に手に取ってほしい絵本です。


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