心をビンにとじこめて

文と絵  オリヴァー・ジェファーズ   訳   三辺律子

あすなろ書房

Reen
Reen

恥ずかしい思いや辛い経験って思い出したくもないですよね。ただ、思い切って向き合うことで生まれるものもあるのかも。勇気がもらえる絵本です

表紙をめくると、見返しのところに「つらいきもち、かなしいきもちはみんなビンの中にしまっておきましょう。これで、心は安全。もうきずつくことはありません。」とありました。

「わかるなあ」と思ってしまったのは私だけではないですよね。

遠い空の下、ウクライナやガザ地区の戦闘で傷ついた人たちの映像がテレビで流れるたび、やはりしんどくなってしまいます。

正直言うと、あまり見たくないなんて感じてしまうほど。

でも、世界じゅうの人たちが目をつむっていても、なにも変わらないことだけは確かです。

ビンに閉じ込めてしまいたい気持ちと向き合い、しっかりと現実を見ないと。

好奇心旺盛な女の子が主役のこの絵本。

ある日、大好きなおじいちゃんがいなくなってしまったことに耐えきれず、心をビンにとじこめてしまいます。

もう心が傷つくことはなくなりましたが、なにもかもが前と違ってしまったのです…

わかりやすい内容ではなく、ある意味、抽象的なストーリーとも言えますが、そのぶん、胸にせまってくるものがありました。

年齢を重ねると、もう思い出したくもないってことのひとつやふたつありますよね。

思い出したくもないと向き合うことを避け続けるだけでは、得られるものもないのでしょう。

でも、大人になればなるほど、素直に、愚直に行動することができなくなってしまうような気がします。

この絵本でも、ビンにとじこめた「こころ」を出してくれたのは、幼い頃の主人公とそっくりな小さな女の子なのです!

自分が子供だったときに感じたことが、急に思い浮かんでくるなんてことがあるのが、絵本の良さのひとつだなんて思いませんか。

たんに童心に帰るだけでない大きな気づきが、絵本の世界にはあふれているような気がします

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