櫟山物語(くぬぎやまものがたり)

作 あさぬま えりな

Kuma
Kuma

お気に入りの一冊が見つかることに幸せを感じるKumaです。今回紹介する作品は皆さんにぜひ知ってほしい、今までにない絵本なのです!

絵本のイベントがあるたび、好みの絵本がないかとワクワクしながら足を運びます。

この「櫟山物語」をみつけた時には「ん?巻物?!」と思わず声が出てしまいました(笑)

櫟山に住む天狗の男の子「くぬぎ」と人間の男の子「梅千代」の物語。

お互いがコンプレックスを抱え、お互いが認め合いながら一緒の時間を過ごしていましたが、

天狗と人間では成長の速さが異なるため、ある時から会えなくなってしまいます。

諦めきれないくぬぎは会えない梅千代の家へ通い続けます。

長い長い時間が流れて二人は再会できますが、時の流れは残酷です。

この場面の二人の切ない言葉に心がキュッとなります。

が、ご心配なく。最後はハッピーエンドですよ。

巻物を広げると、明るく柔らかな色合いの可愛らしい絵。

紙を手繰り、次から次へと物語が流れます。

イベント会場で出会った素敵な着物姿のあさぬまさん。

その隣で、物語にどんどん引き込まれ、夢中で読み終わった時、すぐに絵本の庭に紹介文を載せたいのですがいいですか?と交渉したのでした。

意図的に巻物の形にしているとのことで、印刷されたものを丁寧に貼りつなぎ、とても手の込んだ作りになっています。

ひとつひとつ、あさぬまさんの手作りなので、表に使われている和紙がそれぞれ違い、好きな色柄を選べるのも魅力です。

あさぬまさんの人柄と想いが詰まったこの作品、広く流通されていないのがとても残念です。

私のお気に入りの場面は、二人が雲の上でお昼寝しているところと、草原で二人が手を繋いで寝転がっているところ。

言葉のいらない、二人の穏やかな表情がとても好きです。

櫟山の緑も印象的で、たくさんの人に絵や色合い、和紙の味わいを直に感じてほしいなぁと思います。

読んだ後は精神統一して、まっすぐ破らないように、無心でクルクルと元の姿に巻き戻さなくてはいけませんが、それもまたこの作品の面白さ。

他の作品もぜひ読んでみたいと思わせてくれる、あさぬまさんとの素敵な出会いとなった作品です!

*自費出版のため、作者のあさぬまさんの連絡先を載せておきます。

erinasanuma@gmail.com

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