作 新井洋行 絵 嶽まいこ くもん出版

新年らしく、明るく希望のもてる絵本を紹介しますね。こんなふうに互いを思いやる世界が広まるようにと願うおススメの一冊

子どものときの私の好きなこと、嫌いなこと、得意なこと、苦手なことってなんだっただろう。
大人になるにつれて、当時の気持ちを忘れてしまうような気がします。
金子みすゞさんの詩に、「みんなちがって、みんないい」というステキな言葉があります。
本当にその通りなのですが、テレビやスマホのなかでほほ笑む人たちのキラキラした姿や才能に圧倒されて、
自分自身の持っているものの貧しさにしょんぼりしたことってありませんか。
この絵本、誰もがもっているごく当たり前のすきなことにがてなことを紹介し、
そのすきなことが、べつの子のにがてなことの助けになっていく姿をつないでいくというストーリー。
何十年も前の(笑)私が子どもの頃は、得意を伸ばし、
不得意をがんばって克服しましょうという教育方針でした。
でも、できないことを見つめ続けてばかりだと、マイナス思考になりがち。
にがてなことがあっても、こんなことができるし、
それで隣の人が助かっているという内容がとてもステキだなと思えました。
登場人物は子どもだけでなく、大人も動物も。
日本人ばかりでなく外国の人もいます。そういう多様性もこの絵本の魅力です。
なかでも印象的だったのが、「でも、だいじょうぶ」という言葉。
作者の新井さんによると、子どもの頃の自分に、
『だいじょうぶ、みんなそれぞれに「にがてなこと」があるんだよ』と伝えてあげたいという気持ちから、
この絵本が生まれたのだそう。
ありのままの自分を受け入れていくことで、生きやすく楽になるのは確か。
しかも、好きなことも苦手なこともある自分を受け入れることで、
違う個性をもつ周りの人たちを受け入れることにつながるという言葉に納得です。
互いの違いを受け入れる第一歩は、まず、
自分自身をしっかり受け止めることから始まるのかもしれません。
この絵本のような互いの助け合いの輪が広がれば、
世界じゅうで起こっている争いもなくなっていくのだろうに。
読むと、優しい気持ちになれることまちがいなしのおススメの一冊です。



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