戦争をやめた人たち ・・・1914年のクリスマス休戦・・・

鈴木まもる 文・絵         あすなろ書房

<span class="marker-blue">Reen</span>
Reen

世界のあちこちで燃え広がる戦火に心を痛めている人へ 実話をもとにしたクリスマスの心温まる物語

ロシアが侵攻してきて始まったウクライナでの戦争の終わりが見えないなか、

今度はパレスチナのガザ地区での戦闘が続いています。

内戦などを含めるとどれだけの数の人々が戦いで命を落としているのかと思うと、

本当にやりきれません。

対岸の火事と思っていると、いつのまにか戦火が近くにせまってきていたということだってないとは言い切れないはず。

大切に産み育てた子どもが戦地で人を殺すのも、殺されるのも絶対に嫌ですよね。

私たち母にできることは、どうにかして戦争をやめようと願い、やめられるのだと信じることだと思います。

この絵本、今から100年以上前の第一次世界大戦時の戦地で実際にあった話なんだそう。

こんなエピソードがあったのはこの絵本で初めて知りました!

敵味方に分かれて最前線で戦っていたイギリス軍とドイツ軍。

激しい戦闘を終えた、クリスマスイブの夜。

「きよしこのよる」の歌が聞こえてきたことがきっかけで、敵味方なく夜空に歌声が響き、

翌日のクリスマスには互いに「メリークリスマス」と言い合ったというお話が、

モノクロの映画を思わせるような絵とともに展開しています。

イギリスもドイツもキリスト教徒の国。

聖なる日を祝うという同じ習慣があったからこそのエピソードのようです。

宗教が原因の戦争もあちらこちらで起こっていますが、このお話は同じキリスト教を信仰していたから起きた奇跡のように思えました。

作者の鈴木さんはこの本のなかで、「この星に、戦争はいりません。」と書いています。

私も心からそう思います。

世情は混とんとしており、世界中に戦火が燃え広がりそうな昨今だからこそ、

こういう絵本を描こうと思われたのではないのでしょうか。

戦争は起こっても仕方がない、とめようがないとあきらめたら事態はますます悪くなるはず。

決して希望は捨てずにいたい。

そんな気持ちにさせてくれる、読み応えのある一冊。

あとがきや制作ノートにある作者の言葉もすべてかみしめて読んでほしい!

クリスマスイブにケーキとプレゼントで楽しく過ごすのはもちろんステキですが、

世界で起こっている戦争や今の日本の平和について親子で話し合えたら、

もっとすばらしい聖夜の過ごし方になるのではないかしら。

大人にも子どもたちにも、ぜひ、読んでほしいおススメの絵本です。

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