林木林 文 岡田千晶 絵 光村教育図書

mimi
秋の夜長にぴったりな物語。読むと心が温かくなることまちがいなしですよ!

この絵本、ろうそくが見守るある女の子の一生のお話です。
生まれて間もないあかちゃんのために初めて灯されたろうそく。
女の子が成長するたびに、優しい灯りが周囲を照らします。
不安な嵐の夜、辛いことがあった日も、ろうそくの灯りはそっと寄り添ってくれるのです。
ろうそくを灯したのっていつでしたか?
キャンプに行ったとき?
庭で花火をしたときかしら?
電気があるのが当たり前の暮らしは便利ですが、
ろうそくの灯りを目にする機会が減っているのは寂しいことなのかもしれません。
じっと見つめていると、ろうそくの炎ってユラユラゆれて、
なにか私たちに語りかけてくれるようにみえてきます。
決して華やかで強い光ではないものの、
そのささやかでさりげない明るさが、かえって心を穏やかにしてくれるように思えます。
絵本のなかで大切な節目に女の子を照らし続けたろうそくは、
火をともしてもらうたび、小さくなっていきます。
人をあたたかく照らすことと、
そのたびにろうそく本体が少しずつ小さくなっていく対比が、
なんだか人生そのもののように感じてしまいます。
読んだあとに、切ないような温かいような複雑な気持ちが胸いっぱいに広がっていく、
珠玉の一冊。
夜が深く長くなってきた秋だからこそ、
お気に入りの飲み物を片手に、絵本で心の奥まで温めてみませんか。
悲しいこと、嬉しいこと、辛いこと。
たくさんの経験を積んできた大人だからこそ読んでほしい、ステキな絵本です。



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